aida ha nani de dekiteiru ?

〈いかにしてワタシはこの本に出会ったか〉についての記録

ダナ・ハラウェイ 高橋さきの訳(2000)「猿と女とサイボーグ―自然の再発明」

 

猿と女とサイボーグ―自然の再発明

猿と女とサイボーグ―自然の再発明

 

 まったく独立に始めた勉強プログラム同士がある日つながることがある。

興味は無限に拡散して収拾がつかなくなると思いきや、唐突に収束して新たな展開を見せることがある。

ある本を読んだ後に読む本は、それを最初に読んだ時とは違った読み方が可能になる。

本と本はつながっていて、1冊の本はほかの本との相互作用の中で、一粒で何度でもおいしくなれる。

 

さて、最近の読書テーマであるジェンダー論が思わぬところで、ボクがもう1年ほど執心している科学技術社会論とつながることと相成った。

ハラウェイの名前はtwitterでfollowしている方のtweetで何度か眺めてはいて、科学人類学の書籍として、いずれ読んでみようとは思っていたのだが、意外に早くその機会がやってきたというわけである。

フェミニスト科学論についてワタシの予備知識は皆無であるといってよい。しかし先日偶然にも、某市立図書館で借りていた「科学技術社会論研究第3号」*1に収録されていた論文を読んだ。

桑原雅子,2004,"ジェンダー概念と科学をめぐるポリティクス-科学技術社会論からのアプローチ",「科学技術社会論研究」,No.3,pp143-162

このなかで桑原さんは

ジェンダー論にかんする、もっとも優れたレヴューのひとつは、ハラウェイ(Haraway,Donna J.)による著作『猿と女とサイボーグ』所収の第7章「マルクス主義辞典のための「ジェンダー」:あることばをめぐる性のポリティクス」('Gender' for Marxist Dictionary: The Sexual Politics of a word)であると筆者は考える/pp148

と本書について言及していた。そんなわけで大学図書館所収の本書を借りてみようと思い立ったわけである。

ちなみにジェンダー論に関しては、最近

松嶋淑恵,2013,"性別違和をもつ人々の実態調査――経済状況、人間関係、精神的問題について",文教大学「人間科学研究」,34,pp185-208  機関レポジトリURL

を読んだ。比較的ジェンダー論研究内でも言及が少ないように思われるXジェンダーについての研究・考察もあり、タイヘン興味深かった。