aida ha nani de dekiteiru ?

〈いかにしてワタシはこの本に出会ったか〉についての記録

天才年金

なんらかの創作物をつくりだした人は、だれだって創作者だ。とはいえ世の中には恐ろしいほどの才能を持った人がいる。否。その才能をうんぬんできるのは、ボクがその人の創作物を知ったからであって、その人が今現在才能を持っているかどうかは問題ではない。過去の創作物の天才性をもって、その人がこれから先も同じような創造物をつくりだすことができるという推論の蓋然性は低くないと推測するのはそう不合理なことではないにせよ、そもそも才能の時間軸を未来に向けて延ばすことにたいした必然性がない。ある種の創作者は、かつてある時点で特筆すべき創造性を発揮したことがあるという事実こそがこの文脈では肝要で、その事実を確認しおえたボクはかつてなされた想像性の結果を賞賛しなければならない。しかしながらいずれの過去にむけても金銭を差し出すことは不可能であると物理学者は言うので、ボクはその代わりに現在と、その蓄積である将来に向けることにせざるを得ない。以上が天才年金の基本的な考え方であり、それは創作者の死没が明らかになるときまで続くというのが通説である。現在のところ、この説を棄却するにたる有力な学説の存在は認められていない・

寸劇

“ふと、他の人たちには恋人同士に見えるのかなあと考える。ぼくたちは、こんなにも仲が良くって、ふたりっきりで旅行に行ったりするけれど、目の前で居眠りをはじめたこの人は、もう二度とぼくを恋人にもパートナーにも選ばないと決めたことを、ぼくは知っていて、そんなことは忘れたふりをして電車に乗っている。”

そして父になる

今更ですけどめちゃくちゃいい映画でした。劇場で見ればよかったなあ。
あとこれはどうでもいいんですけど、映画の感想を言う時、「よくできてた」って言うとなんとなく玄人っぽく聞こえますね。

夢のなかでとても懐かしい人に会った。もう長いこと会っていないなあと思って、つい出来心からその人の名前をネットで検索してみたんだけどヒットしない。でもだんだん夢の記憶はぼやけていって、もうその人の顔も思い出せない。ぼくはだれと会ったんだろう。検索しても答えの出ない懐かしさだけが残ってる。