人為的地球温暖化研究の先駆けたち
最近気候科学(とくに人為的気候変動研究)の歴史について勉強しているのだけど、気になる記述を見つけたので、すこし調べてみた。以下、まとめ。
Mark Maslin(2008)"GLOBAL WARMING A Very Short Introduction" を読んでいたら、CO2による気候への影響研究の先駆者として、アレニウス(Arrhenius,S)と共にチェンバリン(Chamberlin,T)という名を見つけた
— chlochro (@hakkirikuro) 2014, 1月 25
アレニウスの式で有名な化学者アレニウスは、氷期-間氷期の気候変化の謎を調べる中で、CO2濃度の変化が気温に影響を与えうることを計算によって定量的に示した(1896年)。CO2による地球温暖化の可能性を最初に示した科学者のひとりとされている。
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ただし、アレニウスは現代的な意味での人為的地球温暖化を危惧し100年前に警鐘を鳴らしていた先駆的科学者、ではない(例えば、http://t.co/moPBJbPKlq を参考にしてください)
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アレニウスの研究は知っていたが、そこにチェンバリンの名が並んでいるものは初めて読んだ。手元にある科学史家Weart,Sの著書の邦訳"温暖化の<発見>とは何か"(2005)では、チェンバリンは海洋循環の変化が気候に影響を与えると推測した科学者として取り上げられている。
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チェンバリンもまた氷期について関心を持っており、アレニウスらの研究に刺激を受けた。大気中CO2の変動機構に着目した彼は、CO2の自然変動に生物地球化学的循環による正のフィードバックが働くことで、氷期-間氷期の気候変化が起こると説明した(1897年)。
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チェンバリンは大気中の二酸化炭素に加え、地圏・水圏・生物圏も含めたグローバルな炭素循環のモデルを考えた最初の科学者のひとりなのだそうだ。
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Weartのwebサイトの方にアレニウスとチェンバリンについてより詳しい情報がある。http://t.co/M0eTNwUHvO
http://t.co/hedcYmbuWk
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IPCC-AR4の"The Physical Science basis"ではchapter1 Historical Overview of Climate Change Scienceの中にやはり深層海洋循環が気候に与える影響について示唆した人物としてチェンバリンの名がある
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AR4には"Chamberlain"として載っている。http://t.co/HSEn0zZOb3
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ぼくは化学系なのでアレニウスは一層馴染み深いけれど、日本の地質系のひとにとってチェンバリンはどれくらいお馴染みなんだろう
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ボクの関心の本流はここに行きつくのかもしれない。
(climate change scienceがregulatory scienceであるならば、いつそうなったのかという議論は可能だろうか)
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