映画館で映画を観た
久しぶりに映画館に映画を観に行った。
「トリック ラストステージ」を観た。
シリーズの完結の形に、見た直後はもやもやしていたが、しばらくしてから腑に落ちた。今にして思えば、よいラストだったと思う。
むしろ映画の本編は実はラストのための「前座」で、あのラストこそがこの映画の正体だったのかもしれない。まあよくわからない。
***
ふと気づいたことがあった。
最近ボクはテレビ番組を最初から最後まで見通すことがほとんどなくなっていた。
テレビでドラマを見るにしてもパソコンで動画を見るにしても、徹頭徹尾画面を見続けているわけではなくて、なにかしらの作業をしてべつのところに目をやっている時間も多い。
映画館で映画を観るという行為は、いまやボクにとって特殊な体験なのだ。映画館がボクに与えるのは、劇場装置による迫力や臨場感というよりは、映画館という「映画を観る」行為にのみ限定された空間と時間なのだ。
上映が終わった後家に帰るまでボクの頭のなかはさきほどまで見ていた映画のことでいっぱいだった。「映画を観る」という行為の限定化が、映画館という場所を離れてからも、家路にまで拡張していた。
帰宅後、すこし疲れていたのはこういうことだったのだろうかと、自分ですこし納得したりした。